高田晴之さんの器

おはようございます。

今日は特筆すべきことがありません。

平凡な一日です。

こんな日は、常設の作品のご紹介を・・・。

高田晴之さんの漆の作品です。

石川県輪島で制作されている高田さん。

まずは、そのものの佇まいに心をとらわれます。
ムダをそぎ落としたカタチの美しさ、
品格の高さが感じられる漆の肌。
なんともいえないマットな黒。
こういうのを“漆黒”というのですね。

漆の世界は、分業制によるものがほとんどです。
漆器の制作工程は、気が遠くなるほどの段階を経ます。

高田さんは、赤木明登さん他の作品の木地を挽く木地師。

そして、高田さん独自の作品を発表されています。
これは、木地を挽くところから塗りの仕上げまで、
一貫して高田さんの手によるものです。

高田さんの作品の特徴は、
イチョウ材を使ったものが多いこと。
漆作品にはふつうケヤキが使われることが多いのですが、
イチョウは漆をよく吸収し、軽い。

大概の方が、手で持ち上げた時に、
「わぁ、軽い。」とおっしゃいます。

器が軽いということは、
食器としての大切な機能性のひとつであります。

私は、器が軽ければよいとは思いません。

ただ、高田さんのお椀の軽さには、大きな意義があると考えます。

陶磁器の薄くて軽い器は、高温のものを容れた時、
手に直に持つものは、熱くてもちづらい。
もちろん、高台やマグの取っ手などがあれば問題ありませんが。

木や漆は、熱伝導率が低いため、
上記のことが緩和されますよね。

また、お椀で味噌汁などをいただく場合は、
しょっちゅう、椀を持ち上げたり下ろしたりします。
特に、幼い子供や、お年寄り、ご病人などには、
手に負担がかるい。

しかも漆の手触り、口触りを実感します。
使いこんでいくと、渋い艶がでてきて、どんどんよい器に成長。

50年も100年も使い続けられます。
漆がはげてきたり、割れが入ってしまったりしても、
補強をしたり、また漆を塗り直して、
まだまだその先も使うことができます。

ウチでは、高田さんの大きさの違う椀をいくつか使っています。
汁ものだけではなく、
ごはんやおかゆ、
ヨーグルトやアイス、
カフェオレやミルクティ、・・・。
出番の多い器です。

昔は、漆は扱いにくいと偏見がありました。
日常的に使う器なら、使って洗って乾燥して・・・
と、やきものやガラスの器とまったく同じです。
手に持ったときの、ヌンと柔らかい触感が好きです。

・・・・・

書き始めると長くなる(苦笑)

とにかく、今日のブログのノルマ達成。

みなさま、楽しい一日をお過ごしくださいね。

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