『線』展 最終日! & 昨日の『おばんざいランチ』

 

 

こんにちは。

 

 

寒いです。

今日は真冬なみですね。(寒)

 

 

 

 

 

 

今月の企画『』展、ついに最終日となりました。

 

勢いのある線、優しい線、のびやかな線、・・・。

今展は、美しく楽しい線が魅力のお三人の作品をご紹介します。

版画の線、ワイヤーの線、磁器に描かれる象嵌の線、

三人三様の線の表現をご高覧ください。

 

 

さとうしのぶさん。

千葉で銅版画などを制作されています。

どこか子どもの描いたような迷いのない自由な線にホッとします。

いたってシンプルな線も、しのぶさん独特の色遣いや構図で味わい深い作品に。

平面作品が飛び出してきそうな想像力を膨らませる作品の数々。

 

 

 

関昌生さん。

福岡で”四月の魚”というお店で、古道具や福岡の現代作家の作品を展開されています。

店のカウンターで黙々とペンチを片手にワイヤーでオブジェなどを制作。

ピシっとした直線、軽やかな曲線、

関さんの手にかかれば、一本のワイヤーがシンプルでモダンなオブジェに早変わり。

テンでは何度も企画展でお世話になっていますが、

定番の作品に加えて、新作もたくさん登場。

細~いワイヤーの線がおもしろい立体になっていく。

飾るだけではなく、使えるものもあります。

 

 

 

熊本充子さん。

愛知で磁器を制作されています。

白くてきめの細かい肌の上に、シャープな青い線で描かれた絵は、

ショベルカー、飛行機、カメラ、タイプライター、電信柱、・・・など、

リアルな描写にグっとハートをつかまれます。

筆で描くのではなく、素地に先の尖ったニードルで溝を彫り、

そこに呉須(顔料)を入れる”線象嵌(ぞうがん)”という技法で描かれています。

また、器の表と裏に関連ある絵があったり、

皿とカップの絵が繋がっていたり、遊び心もたくさん。

 

 

 

今展は本日最終日です。

どうぞお見逃しなく!

 

 

 

 

 

 

さて、昨日の月イチ『おばんざいランチ』のご報告です。

 

喜屋武小夜子さんと小川洋子さんのユニット”teamBB”によるお料理。

 

現在80歳以上の人たちが昔当たり前のように作っていた日本の伝統食を

小夜子さんと洋子さんが丁寧に正直に作ったものを食べていただくことで伝承していこうというランチです。

 

献立のベースは”まごはやさしい”。

ま→豆

ご→ゴマ

は→わかめなど海藻

や→野菜

さ→魚、海老など

し→椎茸などキノコ

い→芋

 

一本釣りのカツオの漁獲量は今では全体の1%に満たないそうですが、

そのカツオの鰹節でとる出汁は一味も二味も違います。

また、旬の有機野菜や旬の確かな食材、

手作りや昔からの製法にこだわった発酵食品や発酵調味料を使います。

素材が良さを活かしたシンプルな創作おばんざい料理です。

 

 

 

 

以下、洋子さんによる解説です。

 

立冬。

いつの間にこんなに季節が進んだのでしょう。

銀杏の木の黄色、木々の紅葉、柿の朱赤、ゆずの黄色、

秋も深まり温かみのある色が美しい。

そして日に日に野菜の甘みがより感じられるようになってきました。

今月のおばんざいも生命力あふれるオーガニックの旬の野菜を中心に、

昔ながらの発酵調味料でシンプルに料理し、体を温め、冬に備える元気を体を与える献立です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今月の献立

 

『春菊と糸こんにゃくのナムル』

春菊は秋から冬の定番健康野菜。

ビタミン、ミネラルをバランスよく含みます。
春菊の魅力は香りと苦み。

香りは胃の働きを調える作用があるので、何より香りの高い新鮮なうちに食べるのが必須。

今回は生で春菊と相性のよいリンゴとナムルにしました。

糸こんにゃくは、にんにくの香りをつけたごま油で炒め、醤油麹で味をつけました。

糸こんにゃくは食物繊維が多く便秘解消の強い味方です。

 

 

 

『丸ごと人参のおやき』

葉っぱのついた人参はとてつもなく美しく可愛らしく感じます。

人参の葉っぱの天ぷらを初めて食べた時、あまりにも美味しくてびっくり。

天ぷらにしたらなんでも美味しいよ、と言われましたが、人参の葉っぱは確実に美味しい。

栄養価も高いので、ふりかけにしても美味しいし、刻んで料理にふりかけてもよし。

油との相性がよいので、今回は人参を丸ごとおやきにしました。

人参の甘さが心地よい。

ほんの少しの酢醤油を塗って召し上がっていただきました。

 

 

 

『青ねぎと桜海老のおから炒め煮』

ねぎの青い部分は栄養成分が多く、寒い季節が美味しい野菜のひとつ。

血行をよくし、消化を促し、殺菌作用もあります。

ごま油でさっと炒め、そこにおからを入れて炒めてから、出汁で軽く煮ました。

香ばしく乾煎りした桜海老も加えて。

味付けは自家製塩麹とほんの少しの自然塩で。

今回のおからは、発酵の郷、千葉県神崎町の知る人ぞ知る私たちも大好きな”月のとうふ”を使いました。

こちらの豆腐の美味しさは一度食べたらやみつきになります。

神崎の地大豆、神崎の地下水で作られているべっぴんさん。

毎日あっという間に売り切れてしまう大人気の豆腐やさんです。

 

 

 

『大根と豚肉と銀杏の梅煮』

冬の食卓には欠かせない大根を梅干しと出汁で煮ました。

大根が煮えたら塩麹に漬けておいた豚肉に片栗粉を軽くまぶし、

大根の上に乗せてプルプルになるまで火を通し、

煮て柔らかくなった梅干しを崩し、銀杏も添えて。

味付けは梅干しのみですが、じんわり塩味と酸味がほどよく仕上がりました。

梅干しは3年前に18%の塩で漬けたものを使いました。

梅干しは漬けてから3年以上経ったものに薬効があると言われ、

古くなればなるほど薬として食養では重宝されています。

塩分控えめの梅干しを求める声も多いですが、

梅干しとしての薬効は昔ながらの18~20%の塩で漬けたものがよく、

昔から「梅はその日の難逃れ」という諺もあり、

毎朝ひとつ梅干しを食べるとよいと言われています。

梅干しは日本のスーパースローフード。

私も毎朝番茶に梅干しをひとつ入れて難逃れをしています。(笑)

 

 

 

『里芋とじゃがいもとエリンギの和えもの』

里芋は稲よりも古くから栽培され、縄文時代から食べられていたとか。

山で採れる山芋に対し、里で採れるのが名前の由来だそう。

里芋が出回ると季節は冬に向かっていることを教えてくれます。

栄養満点で胃腸、肝臓の働きを高め、血中コレステロールを減らす効果もあります。

美肌、ダイエットの味方。

じゃがいもはカリウムを多く含み穏やかな作用で生活習慣病を予防すると言われています。

みかんに匹敵するほどのビタミンCも含んでいます。

里芋もじゃがいもも栄養成分を活かすために皮ごと丸ごと蒸しました。

エリンギをバターで炒め、香りよく醤油麹で味付けし、

皮をむいた里芋と皮ごとのじゃがいもを切り、

エリンギと生の薄切りの玉ねぎとをざっくりざっくり混ぜました。

 

 

 

『大根葉の玄米ごはん』

大根葉に対する熱い想いは先月もお伝えしましたが、ビタミン、ミネラルの宝庫です。

team BBの使う野菜はオーガニックなので、皮も葉っぱもそのまま安心して丸ごと食べます。

今回は大根葉を塩もみし、炊き上がった玄米ごはんに白ゴマと一緒に混ぜました。

とても簡単で栄養満点ごはんです。

 

 

 

『焼きねぎと豆腐の味噌汁』

献立を決める時に、味噌汁は焼きねぎにしよう!と熱く語った喜屋武小夜子。

シンプルに豆腐と。

ねぎの甘みがより引き出されました。

味噌汁を毎日飲むという私たち日本人の習慣はとてもすばらしいもので、

海外のスーパーモデルが健康と美容のためにミソスープを飲んでいるそう。

今回の出汁は昆布と一本釣りの削りたての鰹節に加えて

玉ねぎの皮も一緒に煮出しました。

玉ねぎの皮には血液をサラサラにし、生活習慣病を防ぐ万能薬と言われています。

 

 

 

『人参とキャベツの重ね漬け』

とてもシンプルに塩でもんだ浅漬けです。

すった柚子の皮も入れたので香りよくあっさりと。

人参は生で食べるとビタミンCが豊富に摂れます。

キャベツは生で食べる方が栄養素を丸ごと摂れます。

キャベジンで有名ですが胃の粘膜を守り、疲労回復、老化防止に効果的。

漬物は昔から日本の食卓では大切な欠かせない一品。

生野菜をそんなに食べない冬でも漬物にすると生で野菜の酵素が摂れます。

シンプルな塩漬けも日をおくと植物性乳酸菌が増えて腸の健康を支えます。

 

 

 

ひとつひとつ丁寧に愛情こめて作られたお二人のおばんざい。

体全体に染み入る美味しさと、ほっこり幸せになるランチです。

 

 

 

ランチで使用した器もいろいろ。

画像のまかないで使った器の作者は・・・(敬称略)

増田良平、坂井千尋、ウエダキヨアキ、今井一美、熊本充子、落合芝地、

横山拓也、苫米地正樹、花岡隆、ハシヅメミツコ、田辺京子、高田晴之、

小泊良、加藤委、中田篤、内田鋼一、小孫哲太郎、katakata、・・・

同じ料理でも器や盛り方が違うと、イメージも変わります。

器遣い、コーディネイトも楽しんでいただけたらと思います。

 

 

 

 

昨日は、人間ドックを控え午後8時以降は食事ができない夫のために、

来月の企画展でお世話になる山岸厚夫さんの漆の五寸重に

おばんざいを詰めて持ち帰りました。

とても重宝するサイズの重箱です。

今月28日(火)のイベント『おひとりさまお節と雑煮グラタンスープの会』でも登場します!

ただいま会のご予約受付中です!

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関西ではおむすびは俵型。

関東に来てから三角のおむすびが当たり前なのだと知りました。

お弁当に俵型のおむすび、やはりよいものだなぁ。

 

 

 

来月の『おばんざいランチ』は、15日(金)です。

滋味あふれるランチをぜひお召し上がりくださいね。

 

 

 

 

 

 

明日から30日(木)までお休みをいただきます。

その間、搬出・搬入作業、出張、イベント、・・・

等々、月末は慌ただしくなりそうです。(汗)

 

 

かなり冷え込んでいます。

体調管理には十分お気を付けくださいませ。

 

 

 

 

ではでは。

 

 

 

 

 

 

 

 

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