漆琳堂の漆器の制作工程

 

 

こんにちは。

 

 

 

モワっと生暖かい日になりそうです。

 

 

我が家のジューンベリーの実が

濃いえんじ色になり食べごろ。

いくつかつまんで口に入れると美味しい♪

いろんな種類の鳥たちが来て突っついているのを見るのも楽し♪

 

 

 

 

 

 

 

 

漆琳堂(漆器)・田中帽子店(麦わら帽子)2人展

6月1日(火)~14日(月)

12:00~16:00

 

 

 

漆琳堂

 

越前・福井で江戸時代(1793年)から引き継ぎ作られ続けてきた漆器。

 

漆器は気の遠くなるような多くの工程を経てできあがっていきます。

漆の樹液を採取する漆掻き職人。
木を刳(く)る木地師。
木地の強度を高める下地師。
漆器を艶やかに仕上げる塗師。
蒔絵を器に施す蒔絵師。
このような職人技の結晶が越前漆器なのです。

 

手や口あたりが優しく温かく、長く使い込んでいくうちに味わいが増します。

やきもののように割れることもなくずっとずっと使っていけます。

大人だけではなく、幼いお子さんにもおすすめしたい器です。

十年、二十年と毎日使い、塗りがはげてきたら、塗り直してまた愛着をもって使うことができます。

 

漆琳堂で展開されている漆器にはいくつかシリーズがあり、

そのうちの一つは、カラフルで食洗器にも入れられます。

家事が少しラクになるのもうれしいですよね。

 

ぜひ、食卓に漆器を!

 

 

 

田中帽子店

 

 

創業は明治13年。

日本で数少ない、麦わら帽子を中心とした天然素材の帽子工場です。

現在は6代目の田中優に引き継がれています。
工場は、埼玉県の東部に位置する春日部市にあります。

古利根川という大きな川が流れる春日部市は、昔から米や麦の生産地で栄えた地域です。

創業当時は、麦わら帽子の材料である、「麦わら真田」を作って海外に輸出していました。

 

麦わら真田は、7本の麦の茎を手で編み、真田ひも状にしたものです。

明治30年頃、ドイツから日本に帽子用のミシンが輸入され、ミシンを使った本格的な生産を開始しました。

当時 春日部市には多くの麦わら帽子に関わる会社が存在し、後に春日部市の「伝統工芸品」に認められました。

麦わら帽子は、シート状の材料をプレスして成型する方法と違い、

材料をミシンに取り付け、帽子の形に縫製したのち、プレスして成型する手間の掛かる仕事です。

職人は、1本の麦わら真田を円状に重ねながら帽子の形に縫製していきます。

その造形美は独特で美しく、また重なった部分に伸縮性が生まれることでかぶり心地が抜群です。

 

また、麦わら帽子は天然素材の通気性により、涼しく感じます。

麦わら帽子は長い問、多くの農家や幼稚園や保育園の子供たちに愛用されてきました。

今もなお、昔と変わらぬ製法で、伝統的な麦わら帽子を作り続けています。

最近では、実用品としてだけでなく、ファッションアイテムとしても注目されています。

 

 

 

 

 

 

 

今日は、漆琳堂さんの漆器の制作工程をご紹介いたします。

 

漆は英語で”JAPAN”と称されるように、

日本の風土から作られる手仕事を象徴する伝統工芸です。

いろんな産地で作られていますが、

液体の漆が硬化するには湿度が必要で、

福井は曇天が多く海の湿潤な空気を盆地で蓄え、冬も雪が多く湿度が高い、

そんな気候が漆器づくりに適しているため、

太古の昔から漆が使われてきました。

 

今展の漆琳堂さんは、江戸時代から漆器づくりに携わり、

現在8代目の内田徹さんが継いでおられます。

全国の日本料理店などの業務用に卸している漆器の80%のシェアを漆琳堂さんが担っているそうです。

 

 

まずは動画をご覧ください。

 

 

 

 

 

漆器は、一般的には分業制で制作されます。

上の動画でもあったように、

木地師(木材を吟味し、旋盤で椀などのカタチにする)

下地師(木地に下地を施す)

塗師(漆を表面に塗り仕上げる)

・・・

大きく分類すると、漆琳堂さんは塗師(ぬし)にあたります。

 

この塗師の仕事だけでも

多岐にわたり、

神経を使って塗る、乾燥、研ぐ、塗る、研ぐ、・・・、

と気の遠くなるような多くの手をかけられて作られていきます。

 

 

工房にお邪魔した際、内田さんに各工程の部屋を案内していただきました。

漆芸家さんのアトリエには何度かお邪魔したことがありますが、

こうして一貫した作業工程を観るのは初めてで

漆器づくりのおもしろさ、大変さを改めて感じ入りました。

 

 

こちらは金継ぎなどの修復作業。

長年愛着をもって使ってダメージを受けた焼き物に

それぞれに適切な手を加え新しい命を吹き込みます。

モノによっては新品よりずっとよい味わいをもたらします。

 

 

 

生漆がたくさん保管されており、

漆琳堂ならではの色漆を調合しています。

 

 

 

 

今ではレンジで温めることが多い中、

漆琳堂では電熱器で生漆を柔らかくします。

 

 

 

頑丈な和紙に溶かした漆を包み込み

ギューッとゆっくり絞って純度の高い漆液を漉して作る。

 

 

 

こちらは塗る時の刷毛。

人毛の長い束を木で覆い、使って消耗していく毛の先をカットし、

持ち手の木の先の部分もカットしていく。

道具も手作りなのです。

 

 

 

塗る部屋。

前日の夜にしっかり拭き掃除をし、

当日の朝、静かに拭き掃除をして、

チリやホコリが舞わないような環境にする。

塗った表面に小さな埃ひとつ付かないよう、

神経をとがらせ塗っていく。

この部屋には入らず廊下から見学させていただきました。

 

 

 

塗られた漆を固めるための”室(むろ)”、別名”漆風呂”。

漆を硬化するのに必要な高い湿度を保つ。

 

 

 

椀などの裏に”ツク”という木の棒を取り付け、

ムロの中の回転板のホゾにセットする。

液体の漆が重力によって下に垂れていかずに均一になるよう

板はゆっくり360°回転し続けます。

漆が硬化後、また研ぎの作業をし、

モノによってはまた塗って乾燥して研いでと続きます。

蒔絵や沈金、螺鈿などの装飾が加わる場合は、

さらに多くの工程を経ます。

 

 

 

 

梱包を待つ器の部屋では、

この直後に永平寺に納めるために作られた鉄鉢(てっぱつ)型のお椀が並んでいました。

 

 

 

 

これらの多くの手をかけて丁寧に作られていく漆器。

漆は高価、漆は使うのが敷居が高い、漆の手入れが難しい、

・・・と、敬遠されがちな漆器ですが、

実はそうではなく、

気軽に日常遣いできる美しく便利で気持ちの良い食器であることは

また後日、このブログでお伝えいたします。

 

 

 

 

 

 

6月については、以下のとおりで営業いたします。

 

 

コロナウイルスの感染防止対策として、

カフェはお休みしています。

書・日本史・薬膳料理教室・英会話のカルチャークラスも休講します。

 

 

時短営業で12:00~16:00とします。

今回は、来店予約制はとらず、会期中、自由にご来店ください。

一時的に店内が密になる場合は、

ご入店人数を規制し、玄関のところでお待ちいただくこともあります。

 

 

◎ご来店になるお客様へのおねがい

 

マスクをご着用ください。

店の玄関に置いてあるジェルで手指を消毒してください。

店内でご覧になっている他のお客様とはなるべく距離を保ってください。

 

 

 

会期中、ご来店になれない方のため、

3日め以降、通販を承ります。

作品は少しずつ、このブログでご紹介いたします。

 

また、常設作品に関してはオンラインストアのページを設けております。

こちらも徐々に作品をアップしていっています。

併せて覗いてみてくださいね。

 

 

 

 

 

曇り空ですが、窓から爽やかな風が通ります。

 

 

 

今日も佳き一日でありますように・・・。

 

 

ではでは。

 

 

 

 

 

 

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