田中帽子店の制作工程 

 

 

 

こんにちは。

 

 

 

台風の影響で今日はずっと雨模様。

 

 

ナンテンの花のツボミがついてきました。

初夏の白は爽やかですね。

 

 

 

 

 

 

初夏にふさわしい清々しい作品を展開いたします。

田中帽子店(帽子)・山崎裕理(陶磁器)展

 

6月1日(木)~14日(水)

12:00~16:00

 

 

 

田中帽子店

 

埼玉県春日部市で明治からずっと作られてきた麦わら帽子。

麦わら真田を丁寧にミシンで造形していく様は圧巻。

麦わら素材は、通気性に優れており、紫外線遮蔽率99%という優れた効果があります。

デザインのバリエーションも豊富。

高温多湿な日本の夏、老若男女問わず、大活躍することでしょう。

 

 

 

山崎裕理さん

 

石川県白山市で作陶。

新しい時代の九谷焼。

ユリさんが描く動植物はイキイキとし、またユニークな図案で展開されている。

古典柄もユリさんの手にかかれば、私たちの暮らしにアプローチして親近感を覚える。

また生活者としてのユリさんならではの使い勝手が考慮された器もうれしいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は、田中帽子店の制作工程をご紹介いたします。

 

2年前にテンで企画した際、

ブログでご紹介した内容を改めてお伝えいたします。

 

 

昔、春日部には多くの麦畑があったそうで、

当時は麦わら帽子を作る職人さんがたくさんいましたが、

現在では田中帽子店のみ。

 

麦わら真田(さなだ)は、7本の麦の茎を手で編み、真田ひも状にしたものです。

明治30年頃、ドイツから日本に帽子用のミシンが輸入され、ミシンを使った本格的な生産を開始しました。

当時 春日部市には多くの麦わら帽子に関わる会社が存在し、後に春日部市の「伝統工芸品」に認められました。

麦わら帽子は、シート状の材料をプレスして成型する方法と違い、

材料をミシンに取り付け、帽子の形に縫製したのち、プレスして成型する手間の掛かる仕事です。

職人は、1本の麦わら真田を円状に重ねながら帽子の形に縫製していきます。

その造形美は独特で美しく、また重なった部分に伸縮性が生まれることでかぶり心地が抜群です。

 

 

まずはこちらの動画をご覧ください。

 

 

 

 

以前、工房にお邪魔し、それぞれの工程別に職人さんが作業されているのを見学させていただきました。

 

 

麦わら真田

麦の茎7本で編んだ紐状のもの

茎が細いとできた真田も細い(上)

 

 

 

水に浸し柔らかくした麦わら真田を制帽用のミシンで縫製します。

”渦”と呼ばれる帽子の”つむじ”の部分から縫い始め、

円状に重ねて縫製していきます。

時折、帽子の木型で大きさを確認しながら慎重に縫い進めます。

材料が細ければ細いほど縫製が難しくなり(上画像の細い方)、

熟練した職人でなければ美しい形を作ることができません。

熟練の高い技術で縫われた帽子は見た目の美しさだけでなく、かぶり心地も抜群です。

 

 

 

 

麦わら帽子は、来春に向けて秋から冬にかけて縫製します。

材料を観ずに濡らして柔らかくした後に縫製するため、

縫いあがった麦わら帽子を天日干しします。

特に冬の寒い乾燥した時期に行われることが多いため”寒干し”と呼ばれ、

地面一面に並ぶ麦わら帽子は春日部市の”季節の風物詩”となっています。

(画像拝借)

 

 

 

金型を取り付けた専用の型入れ概を使い、

水圧でプレスし成型します。

デザインによってはクラウンとブリム、別々の木型を組み合わせ、

ひとつひとつ手蒸しで成形する場合もあります。

数多くの型があれば、組み合わせ次第で様々なデザインの帽子を作ることが可能です。

 

 

 

 

 

 

 

型入れ後、汗止めやリボンなどの装飾を施します。

すべて手作業で行い、アクセントとなるリボンも職人がひとつひとつ丁寧に縫い付けていきます。

 

 

仕上げに細かな麦わらの”ささくれ”を取り除きます。

麦わら真田には、麦わらを編んだ時に表面の皮がめくれたり、芽の部分が飛び出したりしています。

そのままかぶると、チクチクしてかぶり心地を損ないます。

かぶる人のため、これをひとつひとつ手のひらで帽子をさすりながらカットしていきます。

かぶる人のためを想った職人の心づかいです。

 

 

 

職人さん方の丁寧な手仕事によってできあがることを思うと、

帽子への愛着もひとしお高まりますね。

また後日お伝えするつもりですが、

天然素材×手仕事の帽子が、いかに心地よいものか実感していただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

昨日も”cafe Rhythm"の伊藤さんのランチボックスをいただきました。

いつもごちそうさまです。

 

 

 

 

 

 

 

明日と明後日は、千葉が誇るクラフトフェア”にわのわ”が

佐倉の城址公園で開催されます。

テンでもお付き合いのある方々が、出展されたり実行委員をされたりしています。

今夜半から大雨の予報ですが、朝にはお天気が回復していることを祈っています。

ぜひお出かけくださいませ。

 

 

 

 

 

 

今日も佳き一日でありますように・・・。

 

 

 

ではでは。

 

 

 

 

 

 

 

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