『繕い裁つ人』・小高善和さん & 本日kiredo kitchen

おはようございます。
今日は涼やかな風が吹いて快適な一日になりそうだと思っていたら雨が降ってくるらしいです。
沖縄の気温を調べたら、最高29℃とか・・・。(汗)
小高善和(革靴)・KORA KAPDA(ストール・服)2人展、
残すところ今日を含めてあと5日です。
今日は小高さん、KORAのTさんとIさんが在廊。
kiredoのランチを召し上がっていただきます。
また、先月の企画展でお世話になった今井一美さんもランチに来てくれるそうです。
いつぞやのブログで、
小高さんの靴の後ろにある穴は何でしょうというQuestionをお出ししました。
今日はその答を発表します。
この穴は、誤って空いてしまったものではなく、
靴を作る際、“吊り込み”という工程でできる穴なのです。

靴上部のパターンを縫い合わせたものを木型に合わせて立体的に造形していきます。

ほら、もうおわかりですね。

木型と革のアキレス腱の部分を固定するため、釘を打ちつける時にできる穴。


木型の底部分に、靴本体の革をギュッとひっぱりながら底面に沿って造形していく。

“吊り込む”という言葉を初めて聞いた時にはピンとこなかったのですが、
こうして靴底を上にして、革を張りながら吊り上げる動作を見て納得。

こうして革にギャザーを寄せながら木型にピンを打っていきます。



こうして美しい曲線の立体になりました。


前回の企画展で小高さんのサンダルとバブーシュを作られた
版画家・さとうしのぶさんがご来店。
当時、ぴったりに作ったものも頻繁に履いている間に、
足のサイズが小さく細く甲も低いしのぶさん、
もう少し足にフィットし脱げにくくしたいとのこと。
後ろ側にストラップを取り付けることにしました。

バブーシュもカカト部分を踏んでサンダルのように履くのに、
スポっと脱げにくくするためストラップを取り付けました。

ちなみに、さとうしのぶさんの手にかかると、
シンプルな須田帆布さんのバッグもこうなります。

小高さんの靴は、履いていて何か不具合が生じたり、ソールがすり減ってきたりしたら、
いつでも修理をしたり、対策を考えたりしてくれます。
そうして、ずっと長く愛着を持って履き続けられることができます。
少し前に映画『繕い裁つ人』を観ました。
町の洋裁店で作られたオーダー服が、それぞれの人たちの人生のいろんな場面で登場し、
歳とともに変わってくる体型に合わせてお直しをしながら、ずっとずっと大切に着ていかれるというもの。
一着の服がその人とともに生き続けていく様が描かれていました。
その服を作ったり繕ったりする店主の真摯な姿勢を観ているうちに、
私の頭の中では小高さんのことが浮かんでは消えを繰り返していました。
ん?恋? ちゃうちゃう! 小高さんの工房での仕事の姿を思い出していたのです。
観終わってすぐに小高さんにこの映画を観て!とメールしました。
後日、彼も観て、とても心に響いたようでした。

この映画の主人公は服を作る人、
小高さんは靴を作る人。
どちらもまさに『繕い裁つ人』です。
前回の企画展から引き続き、小高さんに靴を作ってもらわれた多くの方々から、
「他の靴がはけなくなった」
「足が解放されて楽になった」
・・・などの喜びの声をたくさん聴いています。
きっとこの方々は、それらの靴を永く履き続けていかれることと思います。
その映画のエンディングで平井堅さんが歌う『切手のないおくりもの』が流れた。
改めてこの歌詞をじっくりと聴くと、ジーンとくるのでした。
小高さんのブログには、この歌詞を少しアレンジしたものが書かれていて、これもいいなと思いました。
私からあなたへ
この靴を届けよう
広い世界にたった一人の
私の好きなあなたへ
歳老いたあなたへ
この靴を届けよう
心優しく育ててくれた
お礼がわりにこの靴を
夢のないあなたに
この靴を届けよう
愛することの喜びを知る
魔法仕掛けのこの靴を
知り合えたあなたに
この靴を届けよう
今後よろしくお願いします
名刺代わりにこの靴を
別れゆくあなたに
この靴を届けよう
寂しいときに履いてほしい
遠い台地でこの靴を
私からあなたへ
この靴を届けよう
広い世界にたった一人の
私の好きなあなたへ
私の好きなあなたへ

今、展示している靴の中に、
私が以前小高さんに作ってもらったシルバーの靴あり。
実はまだ一度も履いて出たことがなく、
きれいなのでそのままサンプルとして展示しているのですが、
先日、ご自分のサイズが知りたいと、私のこの靴を試着したAさん。
この靴の中敷きが優れていると言いながら取り出した。

『gallery ten 10th anniversary』という刻印に初めて気がついた。
小高さんの愛に触れる♡

さて、昨日もKORAさんによるピンのワークショップがありました。
みなさん、楽しそうに自分の好みの石やビーズを選んで作っておられました。
今日は設定日ではありませんが、KORAのお二人がいらっしゃるので、
ご希望の方はお申し出くださいね。



今日は月イチランチ“kiredo kitchen”の日です。
現在、栗田さん仕込中。

今日も美味しそうな野菜がいろいろ。

本日のメニュー
アミューズ:
 プンタレッラとルッコラの花芽のサラダ アンチョビと木の芽のヴィネグレット
スープ:
 キャベツの花芽とアーモンドのポタージュ
パスタ:
 ステロッソの茎とラディッキオロッソのクリームパスタ レモンタイムの香り
今日は定員まであと3名様です。
ご希望の方はお早めにご連絡ください。
明日から木曜までは定休日。
次の営業は24日(金)です。
お間違えなく。
ではでは。
 

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