荒井恵子の襖絵を観た

こんにちは。
先週金曜に始まった
荒井恵子さんの襖絵展。
ずっとウズウズしていて、今日やっと行かれました。
まずは、11時過ぎに荒井さんの家の駐車場で待ち合わせ、ランチに。
雨が降っていなければ、そこから歩いて美味しいところへということだったが、
雨なので、駐車場のある丸亀製麺へ。
とろたまうどんと天ぷら二つを食べたが、
食べた気がしない。
もう一杯うどんを食べようか迷ったけれど、
あまり時間がなかったので、ごちそうさま。

今回、荒井さんが精魂こめて制作した襖絵の公開展示をみるべく、
荒井カーの先導でお寺まで行きました。
展示の時間が1時からなので、
お客さまが来られるまで、
じっくりと見せてもらいました。
すばらしい!
もちろん、荒井さんの絵がすばらしい。
そして、荒井さんに襖絵を託したご住職もすばらしい。
山水や花鳥風月の具象画ではなく、
抽象画をお寺の襖絵として依頼する勇気と心意気。
そのご住職の懐の深さに
しっかり応える荒井さんの力量にも拍手を贈りたいと思いました。
まず最初の空間。
墨黒の濃淡で、
マルがたくさん描かれている。
輪廻転生、命、魂、・・・
このマルを描いている時、
荒井さんは涙が止まらなくなったそうです。
内側から突き動かされる衝動によって
ひとつひとつのマルが描かれていったのでしょう。



次の間。
先ほどのモノクロームの絵の裏側。
ここでは、
墨黒、
藍染の廃液による茶褐色、
緑青、
シルバー
の色味が加わります。
この空間に入っていると
胸が騒ぐような感覚に陥りました。


床の間には大きな掛け軸。
一輪だけ活けられたダリアは黒蝶という種類だそう。
このシックな赤とちょっと乾いて角がたった花びら、
はっとさせられるほどの存在感でした。

池田忠利さんともバッタリお会いでき、
また少し話しこむ。
荒井さんのご挨拶から抜粋↓
お寺という空間は
人の生と死、過去現在未来、
こころにある世界の宇宙を支配するところであることから、
時空を超えて思いが行き来できる場所になることを願い描きあげました。
現世から前世来世へと繋がり、
今を生きるために、過去を思い未来を考え、
今を見つめる大事な時間を与えてくれる場所でもあります。
この2面12枚の襖で、
今を生きる私たちの心の空=銀河であり、
また宇宙の果てなき漆黒の闇に浮遊する幽玄の光に繋がる空間を表現しました。
和紙は福井越前の岩野平三郎氏の手すき和紙が使われています。
代々伝わる平三郎和紙は、
かつては横山大観さん、東山魁夷さん、平山郁夫さん方、
日本を代表する画家に愛されてきた用紙です。
3年ほど前に、荒井さんのもとに、この襖絵の話が持ち上がり、
2年前に、和紙や墨がどっさり届き、
それから心血を注いで制作をしてきました。
縦180センチ、横135センチの大きな襖を12面、
空間はお寺の客殿の二部屋。
ものすごいプレッシャーがあったと思いますが、
荒井さん持前のおおらかで自由なスタンスで挑みました。
最初観た時、涙が出そうになりました。
作品の素晴らしさと、
「よくがんばったね!」という賞讃の気持ちが入り混じって・・・。
新聞数紙にも取り上げられ、
開眼供養の初日には本堂がいっぱいになるほど人が訪れたのだそうです。



そして・・・
“分身”というタイトルの作品をいただいた。
襖絵は枠より大きな和紙に描かれ、
表具師さんにより作品を裏打ちし、枠組みがなされる。
その際、切り取られた端の和紙を
この“分身”という名の作品によみがえらせたのです。
今日自分の眼でみたあの襖絵の精神性を少し分け与えられ、
コレを見る度に衿を正す気持ちを持ちたいと思いました。

荒井恵子 襖絵展
4月19日(金)~27日(土)
午後1時~5時
曹洞禅宗 茂春山 宝成寺
 千葉県船橋市西船6-2-30
 tel:047-336-1711
今、清々しい気持ちです。
では。

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