續山茂樹さんと打ち合わせ@九十九里

こんばんは。
今日は晴天で暖かい一日でしたね。
午後から来月の企画展でお世話になる
版画家の續山茂樹さんのアトリエに打ち合わせに行ってきました。
私の自宅からは30分強、九十九里の海にほど近い場所。
續山ご夫妻とは何度かお会いしていますが、
アトリエに伺うのは2回め。
カーナビに住所を入れて意外にすんなり到着。(慢心)
お庭の中に入っていき車を停め、
荷物をとって玄関に行こうと思ったが、ちょっと様子が違うなぁと思った矢先、
「オモダさ~ん!」と道路の向こうの方から呼ばれる声が聞こえた。
どうやら、全く他人のお宅の庭に入っていき駐車し玄関にピンポンするところだったようだ。(汗)
そろそろ来るなと外を気にしておられた茂樹さんの奥さまが、私の車が通り過ぎていくのを見たとのこと。(苦笑)
何事もなかったかのように、エンジンをかけ、50メートルほど先の續山さんの庭に移動。(汗)
今日はいろんなお話を伺うとともに、
木版画の制作工程を見せていただきました。
下絵

下絵をもとに何枚もの版を彫るための各版木のデザイン画

たくさんの彫刻刀(他にもたくさんあった)

それぞれの版木を彫る

彫るカタチによって彫刻刀を変える


上の彫り残した線が、この下絵の紫っぽい横線になる予定

版木を彫るのは真ん中から右にかけての柄の短いものがほとんどだが、
仏像を彫る時によく使われる左の長いものも使う。

分解して刃を研いだり出したりできるようになっている。
ちなみに、木の柄、刃、真鍮の留め具、全て續山さん作。
美しい道具まで作ってしまう。

木版に欠かせないバレン
これらを画材店で買うと5万円を超えるほどの高価な道具。
これらも續山さん作。

真竹の白い皮の内側の薄い繊維を何本も撚って紐状にし、
それらをグルグルと巻いて下地を作る。
これらの繊維の太さ、撚りの本数によって、
バレンの表面のアタリが粗くも繊細にもなる。


それに竹の皮をかぶせて作る。

續山さんオリジナル。
ボールチェーンを巻きつけることで、
摺りあがりに違った表情が出る。

台に版木を留める釘を打つ


これまた美しい道具登場。
刷毛

今では作られていないという“金太郎刷毛”


茂樹さんが20代の頃に彫った版木

紙を湿らせる

版木に墨を塗る

定着を高めるために糊を上から塗りつける


湿気を吸った紙を版にあて、オーブンシートを載せてバレンで摺る

紙をはがすとこんな風に擦れている。
もう少し濃く色を出したいので、先ほどの工程をもう一度。

墨を刷毛で塗り、糊を塗り、バレンで押し付ける

くっきりと完成。

モノを作る工程を観るのはとても楽しい。
作業工程をひととおり見せていただいた後は、
お茶をいただきながら、いろいろお話をうかがう。
茂樹さんが初めて木版画をやってみたのは、
中学校時代の同級生から教わった年賀状作りだそう。
大人になって週刊朝日の記者になられた彼の記事に、
挿絵として版画作品を掲載されたこともあるそうです。(30年ほど前)

魚やさんでの魚の並べ方が、関東と関西で違うのだそう。


大学でデザインを専攻し、
木版画を自己流で作り続け、
30代になって国展に入選し、
その後、国画会の会友→準会員→会員になられました。
續山さんのスケッチブックを見せていただいた。
だいたい毎日一枚なにかを描かれているそう。
このスケッチブックは宝の山だ。





来月をお楽しみに!
續山さんのお宅から車で10分足らずのハーブガーデンへ。
もう6時前で外は暗くなっていました。
ギャラテンのカフェのスウィーツでお世話になっているパティシエ・山口さんは、
きっとこの時間なら帰っているだろうなと思いつつ覗いたらまだ仕事中でした。
なんでもバレンタインの仕事が立て込んでいて、
今日も食事もそこそこにずっと仕事に追われているとのこと。
そんな山口さんに、
「何か新作のケーキはないんですかぁ。」と尋ねたところ、
とりあえず13日(金)に「何か新作を一種類出すよ。」という返事。
また、バレンタインが終わったら、何か作ってくださるそうです♪



さてさて、数か月前に、友人Uくんからご注文を受けた
テーブル、ベンチ、スツールのセット。
今日、杉村徹さんが埼玉のU邸に搬入してくださいました。
脚を短くすることができ、座卓にも変身します。
Uくんの奥さまのAさん、
「テーブルと椅子が替わっただけで、別の家にいるよう。
 肌触りや質感も最高!」
と喜びのメールを早速いただきました。
Uくんのご家族とともにこのテーブルも歴史を刻むのでしょうね。
私も杉村さんのテーブルに憧れ、ギャラテンのカフェに採用。
とても気に入って愛着を持って使わせていただいています。

あ、日付が変わってしまった。
おやすみなさい。
 

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